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2007年7月20日 (金)

似顔絵に笑顔を、そしてその人を笑顔に やまだみつるさん

【NAMARA-YA 5ミニッツインタビュー】
やまださんは、かなり前から知ってました。経緯は忘れちゃったけど、かなり前からネッ友さんでしたし、いろんなところで活躍は聞いてました。が、会うのはこれが初めて。いろんな人から「ルックス的に似てるよ」「同じ方向だよねえ」なんてことを言われていたのですが・・・実際見てみたら、ハンチングにメガネにヒゲにアロハ!やぁ~まだぁ~!そういやオレ、レンタルビデオ屋さんで「似顔絵の方ですよね」なんてことを言われたこともあったのです。ちきしょー。

Yamada_1

サトシン
それでは、自己紹介からどうぞ。
やまだ
やまだみつると申します。
似顔絵を12年、新潟という土地でやってます。自分でも「何で続いてんのかな~?」って思いながらもやれてるっていうのは、多分、これが生きがいなのかなって気がしますね。もしかすると、やりたいことなのかもしれないけど、与えられたものなのかなって思うと、じゃあそれは一体、どこに向かうのかな?やりがいだとか、何かを感じたいんですね。それで、一体これから、何が目の前で起きてくるのか?何だかわからないものが向かってきてるぞって感覚は、何かあるんですよ。で、何だかわかんないところに自分も向かってるぞって感じもあるんです。
サトシン
ん?混沌として難しい状況なんですか?
やまだ
んー、難しくも何ともないんですけど、だんだん自分のやってることが一人歩きしてるって気がするんですね。
サトシン
似顔絵をやり始めてからの心境の変化?が、あるわけですか?
やまだ
ええ、心境はどんどん変化してますね。最初は、わかってもらいたいから、目に見えないボールをいっぱい投げていたんですね。で、キャッチしてくれた人たちに「ありがとう、ありがとう」って言って、一生懸命描いて、しかもちょっと、「オレの絵はどうだ!」って見せつけていた部分がありましたね。それがだんだん、「投げてたのに、なんでこうやってお客さんが来てくれるんだろう?」って思うと、(似顔絵を描いてもらうということは)どうやら家族という中での愛情表現のひとつなんですね、お客さんとしては。「かわいいこどもを描いてください」「こどもが誕生日なんで描いてください」って、すごくさり気ないことなんだけど、愛情表現の証を残したいから、似顔絵ってのがあるんだなって思ったんです。何年か描いていくうちに、教えてもらったんです。そうすると、僕は今までボールを投げていたんだけれど、受身に変わったんですよ。「その方々の愛情表現のために僕は頑張ろう」って具合に。
サトシン
それ、いつ頃から?
やまだ
2年前くらいからですかね。わりと最近です。デッキィで似顔絵を描くようになって5年目なんですけど、3年くらいは自分から投げかけてばかりでして、5000人達成した時に変化があったんですね。だんだんとそんな感覚が芽生えてきまして、第3者的に自分を見る余裕も出てきたんです。だから、さっきの話で、「これは与えられたものなのかな?」って。自分が選んでやってるわりには、与えられたものなのかなと思うと、「じゃあ、何のために与えられたのかな?」って、どんどん考えるわけです。それがまた面白いですね。
サトシン
考えつつ、描いてる、と。
やまだ
ええ。似顔絵っていう世界はですね、メソポタミア文明とか、ずっと昔からあるんです。エジプトの壁画もそうですけど、何かを遺したいから描かれてきたと思うんですね。人間、昔からそういう感覚、欲求があって、文明と共に写真ができたり、映像ができたりしてきたと。でも、人間の手で描いて、それを遺そうという意識は、どうやらボヤッとしながらもずっと残ってる。歌麿の絵があったり、写楽の絵があったり。あれも当時は遺そうとは思ってなかったかもしれないけど、現実には遺ってるじゃないですか。そういうような、血のようなものを(自分には)与えられたのかな、と思うんです。あっ、何言ってるかわかんねえ!はははははっ!(笑)
サトシン
酒、けっこう入ってます?
やまだ
いえ、ウーロン茶です、これ。
サトシン
似顔絵を描き続けることの面白さってどのへんでしょう?
やまだ
今日も、あるところで15人ほど似顔絵を描いてたんです。ある企業の従業員の皆さんを描くということだったので、首から下は全部スーツ着て同じなんです。で、これね、描くのは苦痛でした。でも、顔だけは苦痛じゃないんです。毎回ね、ホント、毎回違うもの、新しいことを描いてるって感覚で。毎回その人の熱とか温度とかを感じながら描いてるわけなんで。世の中っていうのは、こうするとこうなる、こっちに行くとこうなるって、答えを求めているようなところがありますけど、答えではなくて、感じるものがありゃいいんだと。感じることがすごく大事で、大事なのは答えではないんですよね。もうひとつは、顔っていうのは、昨日の顔と今日の顔は違うんです。そんな、変化のあるものを捉えているっていう面白さはありますね。
サトシン
その顔は今しかないんだ!と。
やまだ
そうなんですよ。それを僕が自分なりに捉えて、その捉えたものがイメージとしてずっと残るっていうところに技術力があるわけで。僕の中にもいろいろ葛藤はあるんですけど、描かれてる人たちにも、「オレはこうだと思ってるけど、周りから見たらこうなのかな」とか、自分の中で葛藤がある。でも、人間関係って、実はそうなんじゃないかな。答えを求めるだけではなくて、変化してるってことが、そんなに不安じゃないよと。
サトシン
描く対象として、人の顔というものが面白いってことですね。「お客さんがいて描く」ということが面白いってこともあるのかな、やまださんにとって。
やまだ
そうなんです。あとですね、肖像画と似顔絵って、違うんです。肖像画ってのは、その人とウリ2つ、写真のように描くもの。その人を忠実に描くもの。似顔絵ってのは・・・人間って、完璧な存在じゃないってことを大前提とすると、顔っていうのはすべての欠点が表れるんですね。でも、その欠点こそが魅力だと僕は思ってるんです。で、その魅力を描いてるわけです。それが似顔絵。似顔絵を描くってのは、ニックネームをつけてあげてるみたいなことですね。そのイタズラ心が面白いんですよね。ニックネームで呼ばれた方も、馬ヅラの人に「馬」って言ったら怒りますけど、「ロバくん」って言ったら許せるみたいな。そのへんのギリギリのところが面白いんですね。
サトシン
そのへんが、プロとしての腕の見せどころですね。描いてて面白いエピソード、あります?
やまだ
えーとね、初対面なのに、描いてて「頭の中に降りてくる」って感覚になることがあるんです。で、降りてくると、サーッ!っていけちゃうんです。神がかった感じ。こっちからいじってやろうって意識はまったくないんですよ。サーッ!っと入ってきて、出来上がりが(いつもの)僕を超えてるんです。手がサーッ!と動いてる時は、「出来上がりはこりゃもう、間違いないな」って思っちゃう。そんな時があります。
サトシン
「似顔絵ハイ」みたいなもんかな。
やまだ
「ランナーズ・ハイ」みたいなね!はい。めったにはないんですけど、そういう瞬間は嬉しいですね。何でそうなるんだろう?人間同士の波長なのか、何なのか・・・?あと、エピソードとしては・・・僕も描き手としては、いろんなものを背負ってる人間なので、悩んだり苦しんだりってこともあるんです。でもお客さんにはそれは絶対見せられないし、そういうことを引きずって接していてはいい絵は描けないんで、なんとか平常心を保とうと努力はしてるんです。そんな中でも、どうしても波があるんですね。で、ちょっとブルー入ってる時に、お父さんに連れられて車椅子の女の子が来たことがあったんです。小学4年生の子だったんですけど、見たら、片足ないんです。で、お父さんが「似顔絵お願いします」って言ったんですが、疲れて寝ちゃってるんです、その場で。で、その子は、満面の笑みで僕を見るんです。もう、ずーっと笑顔なんです。その子は生まれつきどうやら片足で、内臓もうまく機能してなくて、入退院を繰り返してるんです。自分の中で意識が生まれた瞬間から、周りの人たちと私は違うんだと思って生きてきた子なんです。それって、そうとう辛いと思うんです。「みんなが走ってるのに、私だけ走れない。なんでこの世に生まれたの?」って、小さいながらも葛藤はあったと思うんです。「その子が満面の笑みで目の前にいるのに、五体満足な僕が何を悩んでいるんだ」と、描きながら思ったわけです。笑顔こそパワーだな、と気づいたんですね。その時に、僕が描かなきゃいけないのは、「笑顔」なんだろうな、と思ったわけです。描いた笑顔で、もしかすると、描かれた人が今よりも元気になってくれて、今よりも自分のことを認めるようになってくれたら嬉しいな、と思ったわけです。
サトシン
似顔絵を通して、笑顔で元気を与えるんですね。
やまだ
ええ。笑顔というのは循環しているというのが持論なんですけど、自分が笑顔になりたいんだったら、目の前の人を笑顔にしてあげないとって思うんです。もっともっといろんな人たちを笑顔にしてあげられると、それが順繰り順繰りにまわって自分に帰ってきて、自分も嬉しくなり、楽しくなる。みんなが楽しくなって、自分も楽しくなる。こんなありがたいことはないなと思うんです。
(2007.7.12 NAMARA-YAにて)

やまだみつるの似顔絵展
http://www.geocities.jp/yamamitu39/www/
やまだみつるのブログ
http://blog.goo.ne.jp/mitsuru-yamada

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コメント

笑顔を生み出す技量を持った山田さんは素晴らしい。
それは間違いないです。
技術的にも,人格的にも,またその境地も。
長年続けてこられた人ならではの,
含蓄のある,味わい深い言葉の数々。
堪能しました。

ボクには,そんな技量がまだありません。だから‥
いつも自分の方から「笑顔」でいたいと思います。
無理せず,自然体で。
今をそのまま受け入れて,ニコニコしていたいのです。
その顔を”ニックネーム”のご褒美で,
いつかやまださんにもらいたい、笑い合いながら__。
そんな風に思いました。

お二人ともありがとうございました。

>ヒューさん
「やまださんですよね」とたまに言われるサトシンです(しつこい)。この時はインタビュー終了後も、新潟の話やお互いの制作の話をしばらく続けていたのでした。レコーダーはストップしちゃってましたが、お話としてはそっちも面白かったかもです。

分かります。
インタビューはいつもそうですね。
ボクが会ったときも時間がなくて。
やまださんは,営業中だったし。

サトシンさんの活動は、新潟への愛情が伝わります。
とんでもなく遠くへ来てしまったけれど,
ボクもボクなりに,「愛情表現」していきたいと思います。

>ヒューさん
「新潟」を意識して活動することは多いんですが、「新潟」だけとなると息苦しくもなるのです。なもんで、新潟だけにこだわるつもりはなし。好きは好きですけどね。

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